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by pmm0hasamh

バイリンガルとアイデンティティー 英語教育の低年齢化(産経新聞)

【英語貧国ジャパン】(4)

 英検1級、TOEICほぼ満点の田代貴子(よしこ)さん(34)にとって、バイリンガルはキャリアを切り開く強力な武器だ。外資系銀行員や製薬会社の社内通訳を経て、いまは在大阪オーストラリア総領事館の総領事秘書を務める。

 好きな英語を磨くため通訳養成学校に通った。長期の留学経験もなく、わからない単語はとにかく辞書を引くという基本を積み上げて英語を自分のものにしてきた。

 英語教育の低年齢化など積極的な奨励に対し、日本語や日本人としてのアイデンティティーが損なわれるとの批判がある。田代さんはアイデンティティーの問いを一笑に付した。

 「日本人であること?揺るぎないです。日本が大好きです」

 生い立ちや生活環境からもバイリンガルは生まれる。しかし学習だけで他言語を習得した場合と比べると、言語とアイデンティティーの関係は微妙だ。

 在大阪英国総領事館の科学技術担当官、須本エドワードさん(28)は日本語、英語、スペイン語が使えるトリリンガル。スペイン語圏のベネズエラに生まれ、3歳から日本で育った。家庭では日本語を話し、学校は神戸のインターナショナルスクールで英語による教育を受けた。

 日本語の読み書きはできない。漢字やかなは絵のように見える。スペイン語ではくだけた日常会話が難しい。読み、書き、聞いて話すという全機能を自在に使えるのは自らのルーツとは関係がない英語だけだ。

 母語より能力が高くなってもメンタリティーまでは変わらない。米国の大学に進学したが、ぽんぽんと言葉が飛び交う会話に入っていくことができなかった。「ノリ」についていけないというのだ。

 「もの静かな日本人になっていました」と笑う。母や祖母から受け継いだ日本語は落ちつく言葉だという。

 須本さんの妻、アラル・ケンザ・宝さん(27)も複雑だ。アルジェリア人の父は自らにとっては外国語の英語でアラルさんに話し、アラルさんは父に日本語で話す。日本人の母とは日本語で話すが、英国で出会った父母同士は英語で話している。

 アラルさんにとっても英語は自らのルーツに関係ない。ところがハーフに対する先入観からか、初対面の人にはいつも〈英語できるの?〉と聞かれる。「日本人で英語ができるとプラス。でも私の場合はできてゼロ。できない分だけマイナスに見られてきた」

 日本大学芸術学部の唐須教光教授(言語人類学)は、「世界的に見るとバイリンガルは少数派ではない」と指摘し、今日の英語の普及を明治時代の標準語に例える。人々は全国的なコミュニケーションが可能な標準語と、母語としての方言を使い分けるようになった。「ボーダーレス時代は、英語が気楽に使えるようになることが大事だ」

 須本さんとアラルさんの間で、関西アクセントのゆっくりとした言葉が行き交う。入籍に際して須本さんは、ベネズエラから日本への帰化を決めた。

 「日本語を特訓してもらわないとね」。妻を見ながら、ちょっと照れたように言った。

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by pmm0hasamh | 2010-05-11 00:36